第五番「米洗いの部」
この絵は明治14年当時における鈴木酒造の酒造りの様子を描いたものでこの絵に描かれているのは米洗いの部分です。酒造りにおける米洗いの方法は手洗い、足洗い、および機械洗いの三種があり、現在ではほとんどが機械洗いですが、この絵の当時、米洗いの機械はまだ開発されておらず、足洗いが主流となっていました。
当時の足洗い法とは、白米およそ18kgを洗い桶に入れ、同量の水を注ぎ両足で研磨するという方法で、最初は70回の足踏みを行い、次に50回、終わりに30回足踏みして、各時に水を交換し、都合150回の足踏みと3回の換水をするやり方(七五三)がありました。冬の寒い時期の米洗いはたいへんな作業でした。 |